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4月10日 桜の森の満開の下

水に浮かべた桜.jpg
家の前に大きな桜の木が数本あります。春の気配をうっすら感じ始める頃から、そこを通るたびに大きく張った枝を見上げてきました。今はもう花はだいぶ散ってしまって、若々しい緑の葉が目立ち始めてきています。どういうわけか今年は例年よりも、桜の花が終わっていくのを寂しく感じています。蕾の頃の高揚感から、満開の絶頂の華やかさから、散り際から、一連の桜の劇的な変化を日々眺めてきて、ライブや演劇を観た後のような、満足感と寂寥感が入り混じったような複雑な気持ちでいます。

桜に心を動かされるたくさんの日本人。開花宣言!がニュースになるなんて素敵です。私はそういうの好きですけれど。春の訪れの喜び、溢れんばかりに咲き誇る華麗な姿、お花見、宴会、、桜といえばやはり明るく華やかな印象ですが、私の中の桜は、どこか憂いを帯びたイメージです。

昔読んだ坂口安吾の「桜の森の満開の下」。桜の季節になると、頭の隅の奥の奥の方でこの物語のことを思い出してしまいます。そして心の奥の深いどこかで、桜の魔性みたいなものに怯えてびくびくしてしまいます。

また久しぶりに読んでみました。今の私が感じたのは、爽快感というか、明鏡止水的な清々しさでした。だんだんと年齢を重ねてきて、邪念だとか不安だとか使命だとかこだわりだとか、いろんなものを身にまとって背負って生きているかもしれないけれど、それがひっぺがされて、素に戻るというか、それすらなくなって自由になるというか、そんな清々しさです。

桜の季節も終わってしまうなぁ。桜は1年中そこにあるというのに。

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